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分類:環境

森へ

森へ
たくさんのふしぎ傑作集
星野道夫 文・写真
福音館書店 ; ISBN 978-4-8340-1227-9 (1996年9月)

 ページを開くと、深い緑の森の木々がいっぱいに広がっています。一直線に並んだ太い木々の根元には、半ば朽ち果てた倒木が苔むしています。その倒木の栄養を受け継いで、何本ものトウヒが一列に並んで育ち、巨木に成長したのです。いったいどのくらいの年月が流れたのでしょう。
 どのページの写真も、南アラスカからカナダの原生林の豊かさ、静けさ、懐の深さを力強く伝えてくれます。川面をうめつくすサケの黒い影、水しぶきをあげてサケに食らいつくクロクマ、産卵を終えて死んだサケ、クマのフンに、まるで小さなカサをいくつも広げたように生えている繊細な白いキノコ、うずくまるオジロジカの子ども、迫力満点のクジラ、それぞれの命がつながりあって、大きな原生林を形作り、その恵みをわけあっているということがわかります。小学生から大人まで、一緒に楽しめる本です。
  写真家の星野さんは、クマを愛し、ロシアのカムチャッカ半島でヒグマに襲われ亡くなりました。星野さんの思いを継いで、星野さんの写真(作品全30点。この本でつかわれている写真が含まれているかどうかは不明。)は、日本全国の小・中・高等学校を対象に、無料で貸し出されてもいます。
 星野さんの写真が力強く伝える森のすばらしさ、自然の雄々しさを、まず、この本で満喫してください。

科学読物研究会     坂口美佳子