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分類:環境

おじいちゃんは水のにおいがした

おじいちゃんは水のにおいがした
作 今森光彦
偕成社 ; ISBN978-4-03-016400-0 (2006年4月)

 この本は、琵琶湖とともに生きている漁師の田中三五郎さんの生活を撮った写真絵本です。
 田中さんが琵琶湖から受けている恩恵は、魚捕りだけではありません。家々に“かばた”という、水路沿いに離れの小屋があり、野菜を洗ったり、鯉を飼ったりと日常生活に利用しています。田中さんの生活そのものが、琵琶湖における生態系循環の一部になっています。湖で使う田舟は、大正時代のもの。竿をあやつるには3年の修行が必要で、舟を作る職人が現在はいないので手入れも欠かせません。一朝一夕にできる生活ではありませんし、不便なこともあるでしょう。それでも、琵琶湖の恵み、ゆったりした時間の流れが美しく、コンピュータ−が手放せない高校生でさえ、「こんな生活してみたい!」と言っていました。
 この本は、『映像詩 里山 命めぐる水辺』(NHKスペシャルにて放映)の書籍版です。テレビでは、音が流れ動きもわかります。一方、本は、自分のペースでじっくり見ることができます。映像とは異なる世界が楽しめるでしょう。
 琵琶湖は、日本一大きな湖であり、必ず学校で学習します。授業で琵琶湖を学ぶとき、この本があったらどうでしょう?人と湖の関係、琵琶湖の生態系などが、楽しく理解でき、授業や読書の時間がより豊かになるでしょう。著者の今森さんは、他にも琵琶湖周辺の写真絵本を多く書いています。
 漢字にふり仮名もあり、小学生から大人まで、楽しめる本だと思います。

科学読物研究会     吉長聡子