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分類:環境

ゾウの森とポテトチップス

ゾウの森とポテトチップス
横塚眞己人/写真・文
そうえん社 ; ISBN: 978-4-88264-330-2 ; (2012/12)

 おいしいポテトチップス。ゾウといったい何の関係があるのでしょうか?
 ゾウを見にボルネオ島に行った作者はそのつながりを知って驚きました。
 豊かな緑におおわれている島には、もともとの熱帯雨林は、実はほんの少ししか残っていなかったのです。豊かに見えた濃い緑は、「パーム油」をとるために人によって植えられたアブラヤシ。それは熱帯雨林の木々を切って植えられました。見渡すかぎりの広大な農園にきれいに並んだアブラヤシ。野生の生き物はここでは暮らせません。
 パーム油は世界中に輸出されています。そしてポテトチップスをからりとあげる油、カップめん、マーガリン、洗剤、化粧品などかぞえきれないほどのものに使われています。それは私たちのくらしを豊かにしてくれますが、野生の生き物のすみかや食べるものをうばうことにもつながっています。
 ボルネオ島にわずかに残された自然の熱帯雨林のなかで懸命に生きるゾウやそのほかの生き物たち。作者はそのゾウと目と目があったとき、「地球は人間だけのものではないよ」と言っているように感じたそうです。
 作者は「あとがき」にこう書いています。
「ぼくはボルネオゾウの撮影を通じて、「知る」という最初の一歩を踏み出しました。そして、自分ができることとして、それを多くの人に知ってもらおうと写真を発表し文章を書くことで、今、二歩めをふみだしたところです。」
 この本は写真が多くて自分もボルネオ島に行ったような感じがします。そこでみなさんが知ったこと、感じたことがいつの日か、三歩めになりますように。

科学読物研究会     市川雅子