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分類:科学技術

お米の魅力つたえたい! 

米と話して365日 お米の魅力つたえたい! 
谷本雄治・著 こぐれ けんじろう・絵
ぶんけい ; ISBN:9784799901076; (2014年11月)

 高蛯ウんは、目黒にあるお米屋さんの三代目。お米が大好きで、お米に関わる食品や流通、農業にまで興味は広がっていきます。出前授業で子どもたちにお米に興味を持ってもらったり、日本各地の農業高校で育てたお米の販売をしたり、大忙しです。
 米屋は農家と消費者をつなぐ立場です、安全でおいしい日本産の米を消費者に届けるにはどうしたらよいでしょう。そんな時に出会ったのが、「カブトエビ」です。「カブトガニ」ではありません、カブトガニよりはずっと小さく、むしろ三葉虫に似た格好をしているのですが、同じくらいの昔、3億年も前に地球にあらわれ、「生きている化石」と言われています。このカブトエビが現代でも元気に活躍していて、農家では「草取り虫」と呼ばれているのです。お米作りで一番大変なのは草取りですが、カブトエビは田んぼで芽生えたばかりの草を食べてくれるのです。たくさんある足で泥をかきまぜると水が濁り、雑草が必要とする日光を遮るので、雑草の成長を抑えもします。アイガモも同じ目的で使われていますが、カブトエビはアイガモよりも田んぼ全体に行きわたってまんべんなく雑草の芽を食べてくれるそうです。こんな小さな生きものが、私たちが毎日食べるお米作りに役立ってくれていたのですね。
 カブトエビ…聞いたこともなかった生きものですが、飼ってみるとこれがおもしろい。くるんと宙返りをしたり、スーッとまっすぐ泳いだり、背泳ぎやバタフライのような泳ぎ方もします。高柳さんの米屋の店先にはカブトエビの水槽があり、子どもたちには大人気のようです。ぜひ一度行ってみたいですね。
 実際の飼育もそれほど難しくないようです、飼育してみたい方には、『カブトエビの飼育と観察』(谷本雄治・著 さ・え・ら書房)という本があります。

科学読物研究会     小川真理子