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分類:技術

なっとうの絵本

なっとうの絵本つくってあそぼう
わたなべすぎお へん /さわだとしき え
農山漁村文化協会 ; ISBN 454003202X; (2004/05)

 納豆は、日本の朝ごはんといって思い浮かべるベスト5に入っているくらい身近な食品ではないでしょうか。7月10日は語呂合わせで「納豆の日」だそうです。納豆のことを詳しく知りたくなったら、この本を読んでみてはいかがでしょうか。
「納豆」といって思い浮かぶのは、ネバーっと糸を引く納豆ですが、この納豆の正式名称は「糸引きなっとう」で、日本にはその他にも糸を引かない「浜なっとう」や「大徳寺なっとう」などの納豆の仲間があります。「糸引きなっとう」を作るのは、大豆と稲わらにつく寄生菌の納豆菌です。学名は「バチルス ナットー」といいます。何だかかっこいいですね。縄文時代の終わりごろには(紀元前1000〜700年)には、中国から稲作や大豆の栽培も伝わってきました。納豆は、米の収穫後に出る稲わらと大豆の煮豆が出会ってできました。そこから各時代の人々に愛され約3000年後の現代の食卓にも受け継がれているなんてロマンを感じませんか。
 納豆が生まれた伝説や江戸のなっとう売りの話、納豆の栄養や納豆菌のミクロの世界の話、そして、実際に納豆を作るためにワラづと作りから始める本格的な納豆の作り方ページなど、納豆の魅力にあふれたこの本を読んで納豆博士になってみませんか。純粋培養の納豆菌を使って作る方法も紹介されていますので、夏休みに挑戦してみるのも楽しそうですね。

科学読物研究会     澤本早苗


 私が子どもの頃、[ワラづと](稲ワラ製の筒)を蒸して、それに煮た大豆を詰め込んで放置しておくだけで納豆を作っていた・・・眺めている子どもにとっては魔法のよう。ふしぎに思って大人に質問しても、「納豆菌はどこにでもいるけれど、特にワラが好き」としか教えてもらえなかった。ところが、この本は、その疑問にスカッと答えてくれている。稲につく納豆菌の胞子は100度でもしばらくは生き抜く特殊な菌なのだ!
[ワラづと]を蒸すと雑菌(他の菌)はすべて死ぬから、蒸した大豆を入れて40度ぐらいに保てば納豆菌だけの天下。簡単に発酵食品の納豆を作ることができる。この方法の他に、純粋培養の納豆菌あるいは市販の納豆から取り出した納豆菌を使って作る方法も丁寧に解説されているので、ぜひ納豆作りに挑戦してください。
 無塩の糸引きなっとう(これを納豆と呼んでいる)の他に、麹菌を使って大豆を発酵させた塩分入りの製品も紹介している。
 納豆の歴史、効用、大豆の発芽率テストや納豆を使った料理なども書いてある。糸を長―く引きのばす実験遊びも面白そう。[ワラづと]をかぶった女の子がそこかしこ出て来る説明図も楽しく、読みやすい絵本。健康な体作りに役立つ発酵食品、調べるほどに興味が深まる納豆です。

科学読物研究会     平井崇子