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分類:技術

食べもの記

食べもの記写真記シリーズ
森枝卓士/著 
福音館書店 ; ISBNコード: 978-4-8340-1740-3 ; (2001年03月31日 )

 大判のカラー写真の本で、ページをめくるたびにおいしそうな世界の食べ物がドンドン飛び出します。米、麦、麺、菓子、野菜、果物、豆、肉、ミルク、卵、虫、魚、香辛料、調味料、保存食のグループに分けて、世界各地の食べ物を紹介しています。さらに、市場、台所、料理の方法、食べ方、食卓、飲みものといった世界の興味深い食文化も紹介されています。まさに「見るだけで、おなかいっぱい」になります。著者が20年かけて撮りためた写真の中から選りすぐりのものだけあって、どの写真も人々の営みが食べ物の湯気と香りと共に迫ってくるような迫力があります。
 中でも、ルソン島の米の棚田や、ヒマラヤの麦の段々畑、北海道の山菜採りの阿寒湖畔、パッチワークのような豆図鑑、鴨川の源流の一つの寺のわき水の美しさには、思わずため息が出ます。お菓子のページでは、カラフルな色で見るからに甘そうなお菓子のオンパレード、飢餓を救うと最近国連で推奨されている昆虫食もしっかり紹介されています。市場や食卓のページでは、人々の笑顔と喧騒と熱気に、食べることは生きることだということを再認識させられます。  最後のページには、水が出てきます。この本が出されたころは、水を買って飲むということに、著者と同じように私も違和感を持っていました。でも、今ではペットボトル入りのミネラルウォーターは、身近なものになってしまいました。21世紀は水の世紀ともいわれています。考えなければならない問題も多いでしょう。
 この本は、写真を見ながら、食べ物というもっとも身近なものから、世界の多様性についてまで考えさせてくれます。一人で読んでも、親子で一緒に読んでも、楽しめるでしょう。

科学読物研究会     坂口美佳子