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分類:科学技術

田んぼが電池になる! ─小学生にもわかるハシモト教授のエネルギー講義─

田んぼが電池になる! ─小学生にもわかるハシモト教授のエネルギー講義─
橋本和仁 作
ウェッジ ; ISBN978-4-8631-0135-7 (2014年12月)

  タイトルの「田んぼが電池」を見て真っ先にイメージしたのは、休耕田で何かを育てて発電に利用することでした。が、少し違うようです。
   この本は筆者が実際に小中学生に向けた講演会をもとに書き下ろしたものです。エネルギーとはどんなものであるのかの説明から始まり、1時間目、2時間目と進む章立てに、まるでハシモト教授の授業を実際に聞いているかのようにも感じられます。
  科学者として光触媒という現象の研究を進め、当初は新しいエネルギー源として酸化チタンを利用して太陽光で水素を作り出すことを目標にしていたものの、思いがけずこの現象が汚れを分解することや、親水性の増大に新たな用途が生まれます。日々の暮らしに役立つ技術として実用化する際、その技術が最大限生かせる方法を模索する中で、時には発想を柔軟に転換することも楽しんでいる筆者の姿勢は、子どもたちにとってよい刺激になることでしょうね。
  そして、これからの技術開発は単に便利であることを追求するだけでなく、自然と調和することが必要なことにも触れ、先端科学が取り組む技術開発の話題で締めくくられます。
  ちょっと視点を変えることが大きな発見に結びつき、新たな進歩につながることが実感できる本です。

科学読物研究会     二階堂恵理