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分類:無脊椎動物

砂漠の虫の水さがし

砂漠の虫の水さがしたくさんのふしぎ傑作集
山口進 写真・文
福音館書店 ;(2000年)

 水がないはずの砂漠に水があって、その水を飲みながら虫が生きているとは。本当に砂漠で生きる虫なんて、いるのでしょうか。ヒトばかりでなく、動物も植物も全て地球の生き物は、水を体の中に取り込まないと生きていけません。砂漠の虫が水を得るために行うさまざまな工夫を、この本で知ることができます。
 著者は、10歳のときにウォルト・ディズニーが書いた『砂漠は生きている』という本を読んで、水など一滴もなさそうな砂漠で生きる生き物に会いたいと願うようになりました。20年後、とうとうナミビアのナミブ砂漠にやってきます。そして、砂山を調べること2週間、ようやく、思いもしない工夫をして砂漠の中で水をとる虫、サカダチゴミムシダマシに出会うことができました。サカダチゴミムシダマシは、ナミブ砂漠に海からやってくる濃い霧を、巧みに利用して水分をとるのです。
 見開きのページ全体に写っている黄土色の砂の中の黒い虫。砂漠の砂山の稜線で、頭を砂につけ逆立ちをしているサカダチゴミムシダマシです。できるだけ霧が当たるように、長い足を広げてじっとしています。よく見ると、足の付け根から今にも口の方に流れおちそうな、水滴が映っています。一瞬をとらえた写真が、砂漠の中で水分を得るために見事な工夫をして、しっかり生きている小さな虫の、力強さを伝えてくれます。
 水と生き物の関わりを、印象的な写真で知ることができます。。  

科学読物研究会     坂口美佳子